むかしむかし、ヨーロッパのある国の王様が、病気になって医者を呼びました。ところが、その医者は敵方のスパイで、病気を治す薬だと偽って毒を盛りました。医者を信じていた王様は、あっさり毒殺されてしまいました。

 と、このようなことがあたりまえに起こっていた世の中で、ある王様が医者とは別の専門家に医者の処方をチェックさせ、調剤をさせるようになりました。
 これが、薬剤師の起源です。
 つまり薬剤師は、絶対に敵方に寝返ることはなく、完全無比の忠誠を誓った、最も信頼できる人間だけがその命を受けることができる職業だったのです。(欧米ではこの伝統が受け継がれているため、医薬分業があたりまえなのです。)

 ひるがえって現代でも薬剤師は、アメリカでのアンケートで信頼できる職業1位であり、日本の小学生の女子を持つ親へのアンケートで、将来ならせたい職業ベスト10入り、という輝かしい評価を受けているのです。

 でも、なんだか変・・・・
 医薬分業を評価するための有識者会議とやらでは、「処方箋をもって薬局に行ってもろくに説明はしてもらえなかった」「何か聞いたら、それは医師に聞いて下さい、の一点張りだった」「診療所の窓口でもらう方が早いし、安いし、どうしてわざわざ薬局に行かなければならないのかわからない」などなど、枚挙にいとまがないほどに、薬局バッシングの嵐です。
 こう言われると、まじめな薬剤師たちは本気で悩んでいます。
 一番信頼できるってつまり、バカ正直ってことかも…?
 女子にならせたいって、単なるリケジョブームだからかも…?
 本当に、薬剤師ってみんなまじめなんです。30年もこの仕事してきた私がいうのだから、本当です。大きなことから小さなことまで、全部まじめに取り組もうとする人種なんです。もしかしら、世渡りはとっても下手かもしれません。もしかしたら、融通も利かないつまらない人間かもしれません。
 でも、絶対にいい加減なことは言いません。必ず正しいことを伝えなければと思っています。だから、処方箋の情報だけでは、きちんとしたことを答えられなかったのかもしれません。
 最近、電子処方箋の話がチラホラ聞かれます。もし、処方箋の情報に診療記録の一部でもあれば、薬剤師はもっともっと身近な本当に役に立つ存在として、いい仕事をするのではないでしょうか?

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