薬局に出す前に処方箋を眺めると、薬の名前の頭に「般」という字を見つけたことがあるかも知れません。これは、医師から薬剤師への暗号のようなものなのですが、これを理解して頂くために、薬の名前はひとつじゃないというお話をしましょう。
 一番わかりやすいのは、商品名。これはメーカーがその薬につける商標で、世の中のあらゆる商品と全く同じように、商標登録をしている名前です。一つの名前は一つの薬を表していて、たとえばTVのニュースでも一時有名になったディオバンという薬を例にすると、ディオバンというのは商標登録された商品名で、成分の含量の違いによって、ディオバン錠20mg ディオバン錠40mg ディオバン錠80mg ディオバン錠160mgと4種類の薬が販売されています。
 次に、成分名。たとえばディオバンの成分名はバルサルタンです。つまり、ディオバン錠20mgは1錠中にバルサルタンを20mg含有している錠剤ということです。
 この成分名のことを業界では“一般名”といい、処方箋にある「般」の字はこの一般名のことを暗号化したものです。 頭に「般」と書くと「これから書くのは一般名ですよ。この一般名の薬なら、どこのメーカーのものを渡してもらってもいいですよ」という医師からの暗号になります。これが書いてあると、患者さんと薬剤師が相談をし、ディオバンにするか他のメーカーのバルサルタンにするか、薬局に在庫のあるメーカーのものでいいか、などを決定していくことになります。ちなみに余談ですが、ディオバンのジェネリック、つまりバルサルタンを含有する薬は31社のジェネリックメーカーが発売しています。それぞれのmg数がありますから、バルサルタンという名前の薬が日本に100個以上あるわけです。
 また、化学構造式を表す化学名もありますが、これはもう難しすぎてここに書く気にはなりませんわ。3メチル2Nテトラゾール~~~みたいなのが延々続きます。で、これもバルサルタンを表す名前です。ま、これで呼ぶ人は多分いませんが。
 さらに、バルサルタンが属するグループ名もあります。AT1受容体ブロッカーとか、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬 とか、AⅡ拮抗薬 とか、ARBとかとか、これ全部同じ意味です。で、ここに属する薬にカンデサルタンとか ロサルタンとか、テルミサルタンとか、よく似た名前の薬がいくつもあります。
 というわけで、薬にはいろんな名前があります。
 皆さんは、これからジェネリックのことを理解するために、この中の商品名と一般名の違いをよく覚えておいて下さいね。

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