不眠症の薬を処方されている方、多いですね。「血圧の薬は何故だかたくさん余っているけど、眠り薬だけがもうなくて、これがないと暮らせないから」と大雨の日でも受診されるという笑えない話もよくあります。
 さて、眠剤でよく皆さん聞かれるのが、この薬は何時間効くのか、ということです。でもこれが非常に答えにくい難問なのです。
 薬には半減期というデータがあり、薬個々に違います。これは、血液の中に入った薬の量がピークの半分になるのにどれくらいの時間がかかるか、を表したもので、半減期が長いと長く効く薬ということになります。眠剤が効いてくれる時間は、朝までぐっすり眠れるかどうかにかかっているので、患者さんにとってはとても大切な情報だということはよくわかりますが、眠剤は同じ半減期のものでも、人によって、またその時のその人の気分によって、効く時間や効き方が違うことが多いのです。だから、半減期のデータだけで、この薬は○時間効きますよ、とは言えない。比較してAよりBの方が長く効くということは言えますが、どんな風に眠れるか、というのが違っていたりするので、患者さんが希望する“ぐっすり”が得られるかどうかは、のんでみてもらわないとわからない部分もあるのです。
 これは、“眠れない” という症状が人によって千差万別、いろんなパターンがあるのに、薬にはそれほど多くのパターンがあるわけではないから、というのが原因ではないかと私は思っています。薬は、眠るスイッチをオンにするものがほとんどで、長く押し続けるか、ちょっと押すか、ぐっと押すかなどが違うだけ。最近やっと新しい薬として起きるスイッチをオフにするものが発売されたばかり。脳の中って、教科書をみるとすごくよくわかっているようなのに、やっぱり人間の人間たる神秘の臓器なんですね。
 医師は、今ある薬の中からあなたに合うと思う薬を選択して処方していますが、もしかしたらもっと合うのがあるかもしれない。組み合わせればもっといい眠りが手に入るかもしれない。なんせ、医師だってのんでみてもらわないとわからない部分があるんですから、もっといっぱい医師と話し合ってご自分に一番合った薬を探してみましょう。
 いい眠りは元気の元ですからね。

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