医療用の薬、つまり保険の効く薬はすべて公定価格である薬価というものが決められています。日本全国、どこへ行っても同じ名前の薬は同じ物で同じ値段です。
 通常は1錠あたりの値段が決まっているのですが、これが○○円○○銭という単位で、おそらく現在の日本で堂々と○○銭という値段で取引されているのは、医療用の薬だけではないかと思います。
 でも皆さんが保険の負担金額を支払うとき、この○○銭というのを聞いたことはないでしょう。すべて○十円という単位です。薬が○○銭なのに、どうして支払いはいつも○十円になるのか?考えてみれば不思議だと思いませんか?

 そこで今日は、この数字のマジックについて、ザクッと説明しましょうか。

 薬の値段は銭単位ですが、これを保険請求するためにすべて点数に換算します。
 この点数は1点=10円、薬価は5捨6入、という世間ではありえないようなルールの元に計算します。

 たとえばここに、薬価5円60銭の薬と、薬価15円00銭の薬があったとします。
 これを点数にすると、5円60銭=1点=10円  15円00銭=1点=10円 となるのです。

 保険制度が始まったころは、まだコンピューターというものもなく、手でちまちま計算していたのでしょうから、小さいことにこだわっていては請求する方も審査する方もとてもじゃないけど1か月ごとに仕事を全うすることができなかったのでしょう。
そこは100歩ゆずったとしても、このITの時代に旧態依然のルールのまま、3桁も丸めてしまって、3倍近い値段の差がある薬が、請求金額は同じになってしまうというこの数字のマジックを、日本中の医療機関、薬局、国、自治体、会社などが、まじめに毎回行っているのが保険制度なのです。
 5円60銭の薬を100錠の箱で買うと549円、15円00銭の薬は1470円(仕入れ値も国が決めています。薬価差2%)
でも売上はどちらも1000円ということになります。しかも100錠全部がきちんと売上にならないかもしれない。残ってしまうと廃棄です。
 つまり、損したり得したりが入り混じっていて、結局、“薬価差”というものがあるのかないのか、よくわからない計算になっているのです。
 薬局がボロ儲けしている、なんて、何百軒もの薬局を経営している大会社に限ったことで、町の薬局達は結構厳しい経営状態の中、頑張っているわけですよ。

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