薬剤師は同僚薬剤師を信用してはいけない

 調剤の最後の段階で、出来上がった薬を全て点検する監査という仕事があります。
 これが最後の砦で、調剤者の間違いを発見できないと、間違った薬がそのまま患者さんの手に渡ることになりますから、最も緊張を強いられる仕事と言えます。
 この時には「誰も信じるな!」と教えられますが、なかなかこれが難しい。
 たとえば、調剤者=10年選手のベテラン 監査者=5年目の中堅
という場合、5年目はベテランに教えられてここまできていますから、ベテランの調剤を疑ってかかるということがなかなかできないわけです。で、ついつい“信用監査”に陥る。ベテランだって人間ですから年にひとつくらいは間違えるかもしれない。発見できない。患者の手に渡る。あぁ~・・・・・・
 となりますから、とにかく監査台に立ったら誰も信じてはいけないのです。もちろん、自分の調剤を自分で監査するときはなおさらです。自分が一番信用できない、くらいのつもりで監査台に立ちます。
 皆さん、調剤している薬剤師を眺めていて、最後に袋から薬を全部出してまた入れているのを見たことがあるでしょう。「ここの薬局はよっぽど調剤に自信がないのかなあ」と思ってはいけません。それは“監査”をしているのです。心を鬼にして薬剤師が一番神経を集中して頑張っている姿なのです。どうぞ見守ってやって下さいね。

“薬剤師免許を取ったら一人前”ではない

 薬剤師免許を取ったら、世間では「薬に関する専門教育を受けて修了したのだから一人前の薬剤師だ」と思われるでしょうが、なかなか、国家試験に合格しただけでは現場では使えません。これからが修行の日々となるわけで。最近は大学時代の現場研修の期間が長く義務付けられていますが、その学生実習を受け入れる側としてはまだ薬剤師ではない学生にさせてあげられることは限られていて、どんなに長い実習期間でもやっぱり“見学”にしかならない場合が多々あります。何よりも本人達に責任感がないですよね。常に教えられる立場でいますから。
 これが免許を取って薬剤師として現場に立つと、自信もプライドもガラガラと一度崩壊させられ、再構築しなければいけなくなるわけで、この試練を乗り越えてはじめて一人前になる修行を始めることができるのだ、とおばさんは考えています。
 「そんな厳しい会社には就職したくないや。有給100%とれて、毎日残業なくて、先輩がみんな優しくて、初任給が友達よりよくて、そんな会社を探すんだ」と思っている薬学部学生諸君!  甘~~い!!  そんな性根だといつか自分のライセンスを汚すことになるんだよ。

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