業界では今さら、調剤とは具体的にどの作業のことをさしているのか、という議論が起こっています。薬剤師ではない社長が薬を取り揃える作業をしていた薬局が“無資格者の調剤”として摘発され営業停止処分を受ける一方で、開業医では薬剤師ではない受付の人が薬を取り揃えていても、医師の監督下だから合法である、として認められています。実際に受付さんが薬を取っているときに医師はそばで見張っているわけではないのに“監督下である”とされるのが慣例です。じゃ、薬局でも薬剤師が常駐していさえすれば、無資格者が薬を取っても合法かというと、あくまで法律解釈の問題でグレーゾーンのまま今日まできています。

 海外では、薬剤師とは別にテクニシャンという資格があり、薬を取り揃える作業を任されています。薬剤師はその薬の監査、そして患者さんへの指導、医師との協議など、より学術的な仕事が主になっています。ただ、海外に比べて日本の調剤は非常に丁寧で複雑、いちがいに比較対象にはできない部分もありますが、日本でもこのテクニシャンの資格を導入してはどうか、という議論とともに、じゃ一体、調剤ってどの作業のことをいうのか、という根本に立ち戻った疑問がわいてきたということです。
 数十年この仕事をしていて、どこまでが調剤か、に疑問を感じたことがありませんでした。私は、薬を取り揃えて監査して、患者さんに渡す形に作るところまでが調剤で、患者さんに渡す仕事は通称“投薬”だと思っていました。でもこの投薬までが調剤だという意見もあるようで、それなら調剤は薬剤師の専権作業だという議論になってきたのです。
 業界内の細かいせめぎ合いのようですが、この議論の結果によっては調剤テクニシャンという資格が新たに生まれ、(もしかすると国家資格になるかも知れませんし)調剤薬局がこぞって雇用するようになりますから、これは国としてもひとつの雇用対策という意味で聞き捨てならないお話になってきます。なんせ、薬局は日本に5万軒以上あるのですから、1軒が一人ずつ雇用したとしても5万人以上の雇用が生まれます。反対に、薬歴も満足に書けないような薬剤師は、調剤テクニシャンにとって代わられる恐れも出てきますよね。常々、薬剤師のステータス向上を叫んでいる私としましては、自然に淘汰が進むし、これは非常にいいことではないかと思っています。
 何でも海外のマネがいいわけではありませんが、この制度の合理性には大賛成です。
 調剤テクニシャン制度に1票!!

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