2年ごとの4月に診療報酬・調剤報酬が改定されることをご存知の方もいらっしゃると思います。業界話で恐縮ですが来年がその改定年となりまして、まさに6月あたりから基本方針をどうするだ、今回はどこを削るだ、といういろんなナントカカントカ会議が頻繁に開かれるようになります。それを最終的に中医協という場でもみ合い、年明けくらいに大筋決定という段取りになります。
 実は、今回の薬局バッシングはまさに巨大竜巻並に大きなものになっています。なんといってもあの福太郎問題、さらには薬剤師の資格のない社長さんや事務員さんが、薬剤師のような顔をして堂々と調剤や薬の説明まで行っていたなど、まあ最近のこの業界は不祥事には事欠かない状態ですから、医師会や支払い側(社会保険や国民保険のことですね)にとっては渡りに船、ここを叩いて自陣のマイナスは最小限に食い止めようという魂胆がありありです。ありありであっても言い返せない薬局業界、という構図の元、ナントカカントカ会議は進んでいます。
 24時間営業しろ! 
 市販の薬や雑貨も販売しろ! 調剤専門はだめ!
 在宅の患者さんのところに薬を持っていってじっくり説明をしろ!
 患者さんの家にある残ってる薬を回収して来い!
 処方せんに書いてある薬でジェネリックが発売されているものは、全部ジェネリックに変えろ!(つまり、全部の在庫を置け、ということ)
 地域の方々の健康に関する相談に応じろ!
 簡易的な血液検査をして、医療機関を受診すべき人を見つけ出せ!(トリアージ)

 こういうことができなければ、調剤報酬はすずめの涙くらいしかあげないぞ!
 報酬が欲しければ、これをクリアしろ!
 おっしゃることはわからないでもないのですが、これを全部薬局にやれと言われたら、いったい何人の薬剤師を雇わなければならないのでしょうか?一応は専門職ですから、給料相場は普通のサラリーマンさんよりちょっと高いし、今の若い方々は、
 「有給は全部消化、残業なし、週休2日、福利厚生いっぱいあります」
 というような職場をお望みになるし、それで24時間店を開ける、在宅に行く、調剤だけでなく販売もする、相談コーナーにも張り付く、となると経営的には無理と言わざるを得ません。もちろん一部上場の大企業ならその原資も捻出できるかもしれませんが、地域密着で数軒の薬局を細々と経営しているような会社では計算が立ちません。
 きっと頭を抱えている社長さん、たくさんいると思います。そして実は、そういう薬局が一番地域に求められている仕事をやっているのではないですか?
 小さな地域密着薬局の日常は、道を歩けば近所の人にお~いと声を掛けられ、おいしいものを送ってもらったからおすそ分け、と頂戴し、大変だあ、包丁で指切ったあ~、と駆け込んで来られ、子供が生まれたよ、と報告にきてくれたかと思ったら、おじいちゃんが旅立ったよ、と一緒にわんわん大泣きし、介護がつらいというお嫁さんの話を聞くうちにこっちの方が号泣して逆に心配され、近所の獣医さんにだって薬のことを聞かれて犬や猫の病気にも詳しくなってしまう。でも、24時間開けるなんて体力的に無理だし、新卒の薬剤師を大量に採用することもできないから在宅業務もそんなにたくさんはできない。
 こんな薬局が消えていき、気が付けばあっちにもこっちにも大企業のチェーン薬局ってことになるんじゃないかと危惧しておる今日このごろでございます・・・。力尽きて、大企業に身売りする薬局さんが増えてきました。悲しいことです。

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